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ポール・クルーグマン・プリンストン大学教授は、都内で日本経済新聞記者に「今後、世界は50%以上の確率で景気後退に陥るだろう」と語った。欧州の金融不安連鎖を最大のリスク要因に挙げた。米国はオバマ政権が財政政策に動きにくいと指摘し、FRBが物価水準目標やインフレ目標を設け一層の金融緩和に乗り出すことを求めた。
「米欧の景気は後退しそうだが、新興国は減速してもなお成長し続けるので、世界全体で見れば緩やかな後退にとどまる」との認識を示した。
欧州については「経済規模でユーロ圏全体の3分の1が危険に直面している」と述べた。「ギリシャはデフォルトが避けられない」としたうえで、銀行の破綻の連鎖を防ぐには「(中央銀行が緊急資金を供給する)『最後の貸し手』機能が重要」と協調。「ECBは十分にその役割を果たしていない」と批判した。
欧州金融安定基金については「元々が小国を救済する仕組みであり、イタリアなどが問題になっている現状では思い切った与信枠拡大が必要」と指摘した。
欧州が直面する経済問題には「成長と2~3%のインフレが有益」と指摘し、緊縮財政が一層の景気悪化を招かないよう求めた。金融緩和の必要性を訴えたうえで、今年に入ってからのECB利上げは「2000年の日銀によるゼロ金利解除の失敗をなぞるもの」と批判した。
米国は「金融危機のただなかにあった1998年の日本のようなもの」と語り、財政・金融両面からの追加的なテコ入れが大切と強調した。「オバマ政権が唱えた4500億ドルの雇用創出策は規模が小さいくらいだが、政治的に実現は難しい」と悲観的な見方を示した。
金融政策については「FRBが(一定の物価水準になるまで緩和を続ける)物価水準目標か、インフレ目標を掲げて、積極的に緩和する必要がある」と提案した。
米欧で経済が長期停滞に陥る「日本化」が懸念されている点に関しては、「10年前から、バーナンキ氏らとともに、日本化の問題を恐れていた」と明かした。
それでも米経済が停滞色を強めている要因として、「バブル崩壊の規模とショックが想像していたよりはるかに大きく、それに比べれば政策対応が小さかった」ことを挙げた。90年代に米国の識者が日本になすべき課題をあげつらったことについては、「謝るべきかもしれない」と述べた。
今の日本については「デフレから脱却できずにいることから、実質金利が高くなっている」と指摘。米国がゼロ金利政策をとるようになったなかで、実質金利の高い円に上昇圧力がかかりやすくなっていると語った。
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「米欧の景気は後退しそうだが、新興国は減速してもなお成長し続けるので、世界全体で見れば緩やかな後退にとどまる」との認識を示した。
欧州については「経済規模でユーロ圏全体の3分の1が危険に直面している」と述べた。「ギリシャはデフォルトが避けられない」としたうえで、銀行の破綻の連鎖を防ぐには「(中央銀行が緊急資金を供給する)『最後の貸し手』機能が重要」と協調。「ECBは十分にその役割を果たしていない」と批判した。
欧州金融安定基金については「元々が小国を救済する仕組みであり、イタリアなどが問題になっている現状では思い切った与信枠拡大が必要」と指摘した。
欧州が直面する経済問題には「成長と2~3%のインフレが有益」と指摘し、緊縮財政が一層の景気悪化を招かないよう求めた。金融緩和の必要性を訴えたうえで、今年に入ってからのECB利上げは「2000年の日銀によるゼロ金利解除の失敗をなぞるもの」と批判した。
米国は「金融危機のただなかにあった1998年の日本のようなもの」と語り、財政・金融両面からの追加的なテコ入れが大切と強調した。「オバマ政権が唱えた4500億ドルの雇用創出策は規模が小さいくらいだが、政治的に実現は難しい」と悲観的な見方を示した。
金融政策については「FRBが(一定の物価水準になるまで緩和を続ける)物価水準目標か、インフレ目標を掲げて、積極的に緩和する必要がある」と提案した。
米欧で経済が長期停滞に陥る「日本化」が懸念されている点に関しては、「10年前から、バーナンキ氏らとともに、日本化の問題を恐れていた」と明かした。
それでも米経済が停滞色を強めている要因として、「バブル崩壊の規模とショックが想像していたよりはるかに大きく、それに比べれば政策対応が小さかった」ことを挙げた。90年代に米国の識者が日本になすべき課題をあげつらったことについては、「謝るべきかもしれない」と述べた。
今の日本については「デフレから脱却できずにいることから、実質金利が高くなっている」と指摘。米国がゼロ金利政策をとるようになったなかで、実質金利の高い円に上昇圧力がかかりやすくなっていると語った。
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