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 日本の増税で利害が一致する日本の財務省とIMFはタッグを組んでいるのだろう。
 国内経済を無視した対外配慮優先のツケは日本に舞い戻る。
 まず、増税は家計消費を減らし、デフレを進行させる。モノに比べたおカネの値打ちが上がるのだから、超円高は止まらない。それでも政府は円高はチャンスだとみなして、企業の対外投資を支援する。
 日本の対外資産の源は家計の貯蓄である。政府はドル資産を買うための短期証券発行で、銀行は預金で、企業は社債などを通じて家計から借り入れる。このままでは日本国民は勤勉に働き、貯蓄しても巨額の富を失うばかりだ。原因の大半は、政府の政策によるものである。



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 ポール・クルーグマン・プリンストン大学教授は、都内で日本経済新聞記者に「今後、世界は50%以上の確率で景気後退に陥るだろう」と語った。欧州の金融不安連鎖を最大のリスク要因に挙げた。米国はオバマ政権が財政政策に動きにくいと指摘し、FRBが物価水準目標やインフレ目標を設け一層の金融緩和に乗り出すことを求めた。
 「米欧の景気は後退しそうだが、新興国は減速してもなお成長し続けるので、世界全体で見れば緩やかな後退にとどまる」との認識を示した。
 欧州については「経済規模でユーロ圏全体の3分の1が危険に直面している」と述べた。「ギリシャはデフォルトが避けられない」としたうえで、銀行の破綻の連鎖を防ぐには「(中央銀行が緊急資金を供給する)『最後の貸し手』機能が重要」と協調。「ECBは十分にその役割を果たしていない」と批判した。
 欧州金融安定基金については「元々が小国を救済する仕組みであり、イタリアなどが問題になっている現状では思い切った与信枠拡大が必要」と指摘した。
 欧州が直面する経済問題には「成長と2~3%のインフレが有益」と指摘し、緊縮財政が一層の景気悪化を招かないよう求めた。金融緩和の必要性を訴えたうえで、今年に入ってからのECB利上げは「2000年の日銀によるゼロ金利解除の失敗をなぞるもの」と批判した。
 米国は「金融危機のただなかにあった1998年の日本のようなもの」と語り、財政・金融両面からの追加的なテコ入れが大切と強調した。「オバマ政権が唱えた4500億ドルの雇用創出策は規模が小さいくらいだが、政治的に実現は難しい」と悲観的な見方を示した。
 金融政策については「FRBが(一定の物価水準になるまで緩和を続ける)物価水準目標か、インフレ目標を掲げて、積極的に緩和する必要がある」と提案した。
 米欧で経済が長期停滞に陥る「日本化」が懸念されている点に関しては、「10年前から、バーナンキ氏らとともに、日本化の問題を恐れていた」と明かした。
 それでも米経済が停滞色を強めている要因として、「バブル崩壊の規模とショックが想像していたよりはるかに大きく、それに比べれば政策対応が小さかった」ことを挙げた。90年代に米国の識者が日本になすべき課題をあげつらったことについては、「謝るべきかもしれない」と述べた。
 今の日本については「デフレから脱却できずにいることから、実質金利が高くなっている」と指摘。米国がゼロ金利政策をとるようになったなかで、実質金利の高い円に上昇圧力がかかりやすくなっていると語った。



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明治製菓の大本命
 日本はデフレで需要不足が続き、所得は伸び悩み、雇用も悪化している。ここに来て、欧米経済の減速に加え、急激な円高で海外需要も減っている。世界経済も悪くなるとわかっているのに、増税はとんでもない政策だ。
 消費税の増税は消費を冷え込ませるうえ、被災者や失業者の負担も大きい。除外は当然だ。税率を上げても経済が縮小すれば税収は減る。所得税も消費を萎縮させ、法人税の負担は企業の海外流出を促す。
 復興費用は、復興国債を発行し日銀がそれを引き受ければいい。金融緩和を同時に進めることでデフレ脱却につながる。増税は内需を減少させ、一層のデフレになる。円高と株価の低下で、輸出の減少をもたらす。設備投資は減り、失業者が増える。野田佳彦首相は危機感が足りない。デフレ脱却が何より必要だ。
 リーマン・ショック後の世界同時不況で他国はマネタリベースを2倍以上増やしたが、日本は最大でも1.1倍。結果的に日本だけデフレが継続し、円高になっている。
 国債発行は、将来世代は国債の償還金と利払いのための税金を政府に納める一方で、国債の利子と償還金を受け取るので、将来の増税自体は負担にならない。負担になるのは実質金利が上がる場合だが、20兆円程度のデフレギャップがある日本経済は貯蓄に対して投資需要が不足しており、実質金利は上昇しないだろう。
 国債残高は対GDP比で160%まで上昇しているが、デフレ不況で税収が増えず、歳入不足や景気対策のために国債を発行したからだ。国債残高の対GDP比を下げるには、デフレから脱却し、名目成長率を上げて税収を増やす必要がある。
 政府が2~3%程度のインフレ目標を設定し、その上限を超えないよう復興国債の日銀引き受けの額を調整するなどの措置を取れば暴落は防止できる。インフレ率が2~3%で、名目成長率が4%まで上昇すれば、税収は増え、増税なき財政再建も可能になる。



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 大震災の前から、日本経済は15年越しのデフレと円高に直面してきた。 その結果、雇用と生産の落ち込みが大きい。 日本の株式相場も低迷を続けており、資産の目減りは消費意欲をそぐだけでなく、担保価値の減少を通じて企業への貸し出しを制約している。
 日銀は、阪神大震災後に比べて速やかに被災地の救援融資に取り組んだ点で評価できるが、インフレを恐れるあまり、デフレ、円高に伴う国民への皺寄せを放置している。
 今日本で一番必要なのは金融緩和である。 日銀による国債の買い上げや引き受けを通じて実施すればよく、円安を導く政策である。
 変動制の下では景気安定のために望ましい為替政策、金融政策をとることは、世界の経済厚生のためにも有益なのである。岡田靖氏と浜田宏一氏の共同論文によると、最終的に各国とも最も良い物価水準を実現できる。
 日本の財政悪化は、社会保障費の増大も要因だが、15年も続くデフレ・低成長に陥ったことも大きな要因だ。
 大規模な災害の復興財源を増税で賄うとすれば、日本経済に一層の不況圧力を押し付けることになると考える。資本設備の復旧は、現世代だけでなく将来世代にも恩恵を及ぼす。その一部を将来の世代が負担するのはむしろ公平であるから、公債で調達するのが望ましい。公債の一部を日銀が買い上げれば、インフレを加速しない限度において、デフレ、不況を和らげるとともに公債の政府負担を軽減する。
 現在の財政危機を解消するには、金融緩和により歳入を増やし、増税に頼るのをなれべく少なくするのが経済学の定石である。
 環境税は水や空気をきれいにするだけにとどまらず、イノベーションを通じて新たな需要を生み出し、日本が低成長を脱するきっかけになるかもしれない。
 消費税増税は国民経済のパイ全体を小さくする政策であり、歳入の減少を招く。
 十分な金融緩和によりデフレ、需要不足、低成長を脱することが先決である。



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 デフレ不況下の増税は消費を減らす代わりに、カネの値打ちを増やす。銀行は融資をやめ、企業は新規投資を思いとどめる。米欧は通貨をじゃんじゃん刷るので、超円高が止まらない。デフレと円高のダブルパンチを浴びる企業は日本から離れる。
 本来の政府の役割は、公債発行によって国民の貯蓄を活用して、安全な社会基盤を整備し、経済を成長させて税収を上げて国民に利子を払うこと、何よりもデフレから脱出させ、復興を遂げることだ。
 政府に債務返済できる能力がなければ、リストラし、官僚天下り機関を閉鎖される。これが、国会議員、内閣の本来の義務である。
 被災地復興をそっちのけにして、こともあろうに公務員宿舎建設を優先する。財源はしかも増税である。国民との契約違反、本末転倒とはまさにこのことだ。
 増税は官僚を楽にさせる。税率を上げてしまえば、しめたもの。予算は確保済みで、したい放題。自省の権益を拡張できるし、給与カット、人員削減圧力を受けることもない。
 与野党は問わず、反増税派は結束すべきだ。



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