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 復興財源は、増税せずに、償還期間の長い復興債を発行して全部をまかなうべきだ。デフレ不況で需要不足が続き、雇用も十分でない。超円高になり、そこに大震災が起きて、誰もが将来への不安で消費を控えている。さらに欧州発の経済危機。この状況で増税するのは無謀だ。
 増税は需要を抑制する。税率を上げても、経済が悪くなればかえって税収は落ちる。政府・与党案が所得税の増税を2013年からにしたのはわずかな救いだが、将来の増税がわかれば消費者は今から節約するだろう。
 国債発行は将来の世代にツケを回すという人がいるが、間違いだ。国債を国民が保有していれば、将来の世代は国債の利払いと償還のために税金を納めるが、一方で国債の利子と償還金を受け取るので、それだけでは負担にならない。
 負担になるのは、国債発行によって、増税した時よりも実質金利が上がる場合だ。デフレ脱却で経済が拡大し、需要が供給能力に追いつけば実質金利が上がるが、税収も増えるので、その時、国債の償還を早めればいい。
 復興は金融政策によるデフレ脱却とセットで行うべきだ。復興債は日本銀行に市中で買わせるか、直接引き受けさせる。
 政府はインフレ目標を設定し日銀に達成責任を負わせる。復興が軌道に乗るまでは4%程度のインフレ目標を設定すべきだ。 日銀総裁は、目標をいつまでに達成する、できなければ辞職すると明言すべきだ。その姿勢を明確に見せれば、量的緩和の規模が小さくてもインフレ率は上がる。目標を超えないよう調整すればハイパーインフレは起こらない。
 復興増税の後には、社会保障財源のための消費増税が予定されているが、税収を増やしたいのならデフレ脱却が一番だ。名目GDP成長率が4%になれば、税収は劇的に増える。それでもまだ足りない場合に初めて消費増税を考えればいい。

 9月30日産経新聞での発言は、こちらです。



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 基礎年金財源の転用や外貨準備高の活用は、国債の増発と同じであり、負担なしの財源があるという錯覚を生むから、国債より悪質。

○基礎年金財源の転用について
 当初予定されていた国庫からの繰り入れがなくなったため、その分の年金支給は年金積立金を取り崩すことによって賄われるから、年金積立金の目的外使用に他ならない。これは国債の増発と同じである。

○外貨準備高の活用
 為替介入のための円資金は、短期国債の発行によって賄われている。したがって、外貨を処分した場合は、その分国債を償還するのが筋である。それをやらずに使ってしまったら、国の負債がその分残るから、これまた国債を増発したのと同じことになる。
 さらに、外貨準備を円に換えていくと、逆介入と同じことになるから、円高になりやすい。



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